「がんばれ」より相手思いな"励ましの言葉"がある 応援するつもりが、緊張を強いていませんか?

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「逃げ」と「遊び」は、生きていくうえでなくてはならない重要な戦術なのです。

体と心が壊れる前に

スピードが求められる現代社会において、いったん組織に入ったらなかなか逃げられない状況があります。

人事評価制度に不公平があったり、だれにも相談できずに慣れない業務を任せられたり。

よくあるのは「ダブルバインド」です。アメリカの精神科医グレゴリー・ベイトソン氏によって提唱された理論です。

ふたつの矛盾した要求や情報を受け取り、どちらの選択肢を選んでも、罪悪感や不安感を覚える心理的ストレスのある状態のことをいいます。

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たとえば上司に「わからないことは何でも聞いて」と言われたので質問したら、「それくらい自分で考えるように」と突き放されたり、「自分で考えて行動しなさい」と放置しておきながら、自分で考えて行動すると「相談もなく勝手に行動した」と怒るような上司です。

このような上司・会社では、あなたの身は持ちません。

戦ったところで解決しませんから、体と心が壊れる前にさっさと逃げるが勝ちです。

令和4年(平成31年卒業者が対象)のデータによると、新規大学就職者の約3人にひとり(31.5%)が3年で離職するという内容でした。

離職率は、仕事内容、待遇、人間関係の3つによって左右されます。

転職エージェントサービスがこれほどたくさんある現代、「逃げやすい環境」が整ってきているとも言えます。

和田 秀樹 精神科医

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わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

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