「万人向けでない」と明言のシャンプー人気のなぜ 「合う人と、合わない人がいます」説明文に記載

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消費者の思い込みや誤解に乗じておくほうが楽だし手っ取り早い。何も考えずに「ノンシリコーン」処方にしておいたほうが、「自然派っぽい」感じにも映る。でも、僕らは消費者に正直でいたい。だから、手間を惜しまずにわざわざ「シリコーン」の説明をします。

他社とは違う定期購入サービス

「12/JU-NI」シャンプーでは、定期購入のサービスも提供していますが、こちらも他社のサービスとはかなり違います。多くの会社では、定期購入はお客さんのメリットよりも、企業側の経営メリットを考えた仕様設計になっています。

一度加入させたら定期的にお金が支払われるので、定期購入者が増えれば増えるほど経営は安定します。新規加入のハードルをとにかく下げて加入を促す一方で、一度入会したらやめづらい仕組みにして、退会を防ぐ場合も多い。

よくあるのは、加入はネットで簡単にできるのに、退会には電話が必要というもの。こういうサービス設計は、「正直」ではないと思います。

木村石鹸の定期購入サービスは、回数のしばりはなく、入会や退会に制限はありません。もちろん退会も基本はウェブ経由でできます。

どちらかというと、入会のほうが難しく、退会は簡単。定期購入に申し込む前に、ちゃんと商品やサービスを理解して、自分の意志で決めてもらいたいから、そのような設計にしています。商品購入中に、いつの間にか定期購入サービスに加入してしまっていた……というようなことは避けたいのです。

そのため、商品の購入プロセスと、定期購入の入会プロセスを分けています。

僕らが提供する定期購入サービスは、メンバーシッププログラムのような位置づけをしていて、そんなに価格メリットがあるわけではありません。

でも、定期購入サービスに入っていると、開発中の新商品のサンプルがいち早くもらえるとか、クローズドの開発者のインタビュー動画が見られるといった会員プログラムが提供されます。

どうせ買うならメンバーシップで買うほうがちょっと楽しいし、おもしろい。そんなふうに感じてもらえるとうれしいなと思っています。

プロモーションについても、「本当によいものができたので、皆さんに知ってもらいたくて広告しています」と謳って、広告していることを広告そのものにしています。

結果的にこの広告に対する反応はかなりよかったのですが、同じ広告を他社が出したら、こんな高い反応が得られるかといえば、わかりません。

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