アサヒ「キンプリいじり」便乗は何がマズかったか 企業がSNSで活用する"ネットミーム"の落とし穴
今回のような「炎上事件」は、多くの企業が直面してきたことであるし、これからも起こしかねないことだ。いま一度振り返って学ぶべきところは大きいように思う。
最近、「インターネットミーム」という言葉がよく使われる。
「ミーム(meme)」とは、生物学者リチャード・ドーキンスによる、英語の「gene(遺伝子)」と、ギリシャ語「mimeme(模倣)」を組み合わせた造語だ。ミームは、模倣によって人から人へと伝達し、増殖していく文化情報や文化遺伝子のことを指している。
そこから発展して、インターネットを通してさまざまな人が模倣して広がる文化や行動のことを、「インターネットミーム」と呼ぶようになった。
インターネットミームは、インターネットユーザーが生み出し、広げるのが一般的だが、そこに企業・自治体・団体も関わるようになっている。現在では、インターネットミームを有効活用して、宣伝や広報活動を行う「ミームマーケティング」という言葉も生まれた。
日本だけでなく、海外の企業も、積極的にインターネットミームを活用した広告を制作したり、SNSの投稿を行ったりしている。
今回問題になった「キンプリ構文」のような「○○構文」もインターネットミームのひとつと言っていいだろう。
「コナン構文」を活用しウケた企業
都知事選の際には「石丸構文」、自民党総裁選の際には「進次郎構文」など、候補者の独特の語り口や言い回しがインターネット上で真似られて、拡散したことは記憶に新しい。
企業が政治や政治家をネタにするのはリスクが高いが、元ネタがメディアによるものや一般人の場合は、企業が相乗りすることがある。
中でも人気漫画・アニメ「名探偵コナン」の下記のようなセリフは、SNS上でさまざまな改変が加えられて流通している。
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