アサヒ「キンプリいじり」便乗は何がマズかったか 企業がSNSで活用する"ネットミーム"の落とし穴
これは、2022年にアイドルグループKing & Prince(キンプリ)から平野紫耀さん、神宮寺勇太さん、岸優太さんの3人が脱退すると発表された際、平野さんが公式ブログに投稿したメッセージに対するファンの反応とそっくりだったのだ。
平野さんのブログの文章に対して、ファンが、頭文字ではない部分に赤丸を付けて、「かなしいなてはなすの(悲しいな、手離すの)」というメッセージになる、とした推理を投稿。
その際に「待ってこれ 手震えるんだけど」という言葉を添えていた。少々強引な推理ではあったが、これは当時のキンプリファンの動揺を示すエピソードとして知られている。
これをきっかけに、投稿文章の中から文字を選んでつなげて、別の意味を込めたり、読み取ろうとしたりする行為がSNS上で流通し、「キンプリ構文」と呼ばれるようになった。
アサヒビールの投稿は、賛否あったキンプリファンの行動をいじるもの、そしてキンプリ分裂という「悪いニュース」を想起させるものだっただけに、ファンから批判の声を浴びる結果となった。
また、「手が震える」という一文が、アルコール依存症を想起させ、酒類メーカーの投稿として不適切だという声もあった。
アサヒビールは、投稿の翌日に当該投稿を削除し、「2024年10月2日21時のポストにおいて、配慮に欠けた表現がございましたので、当該ポストを削除させていただきました。ご不快な思いをおかけしましたことを、謹んでお詫び申し上げます」と謝罪した。
企業が積極的に活用する“インターネットミーム”
筆者もそうだが、多くの人は、削除と謝罪がニュースになってから知ったように思うし、報道を見ても、何が起きていて、何が問題だったのか、すぐには理解できなかったように思える。
それゆえに、「削除する必要はない」という声も少なからず見られた。しかし、この投稿はやはり適切ではなかったと思うし、早々に削除して謝罪投稿を行ったことは、事後対応としては適切だっただろう。
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