「こんな上司がいたら、会社辞められないですよ」 離職の「原因」となる上司、「抑止力」となる上司

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また、ある会社で定年まで勤め上げた方が、本当は独立するつもりだったが、結局会社を辞めることができなかったと話してくださいました。

その理由を聞くとこう話されました。

「私は上司に本当に世話になりましてね。彼は私が1つの仕事をやり終えると必ず私に声をかけてくるんです。『今回はどうだった? 大変だったか?』って。

それでその仕事の話をすると、嬉しそうに『そうか、そうか』って一生懸命に聞いてくれるんです。そして『今回もお疲れさん、よく頑張ったな』って言って、私の成長を我がことのように喜んでくれるんです。

それが嬉しくてね。それでまたこういう報告をしたいと思って、次の仕事も頑張ってしまうんです。

その上司が定年退職したとき、今度は自分が部下の話を聞いてあげようと思いましてね。そしたら定年まで働いてました。あんな上司がいたら会社辞められないですよ」

この方の上司は部下の成長を我がことのように喜び、話を聞いておられたわけです。それはまさに自分のことを見守ってくれていると感じる関わりだったと思います。

そして、その上司に恩と絆を感じ、それが独立を思い止まらせたわけです。

「人の喜びは我が喜び、人の悲しみは我が悲しみ」

この2つのエピソードに共通するのが、上司が部下の成長を我がことのように喜んでいること、その姿を見て部下は「上司は自分のことを見守ってくれている」と感じていることです。

これまでさまざまな経営者やビジネスマンを見てきましたが、長期的に成功している人の多くは、人の喜びを我が喜びとし、人の悲しみを我が悲しみとしています。

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