この6浪目の年は、中央大学商学部の会計学科と経営学科の2つしか受けなかったロクさん。
「秋に大学に行って何を学びたいのかを決めたのですが、情報系の学部以外に行くとしたら中央大学がいいなと思っていました。中央大の赤本を見たときに、公認会計士のことが書いてあって興味を持ったのと、『炎の塔』という学内の公認会計士の専門学校に入って公認会計士を目指したいと思っていました」
ようやく成績的に合格範囲まで到達し、秋から中央大学の過去問対策を何度も何度も解いたロクさんは、見事に2学部とも合格し、中央大学商学部会計学科への進学を決めました。
「自分の周囲はびっくりしていました。両親も受かるとは思ってなかったですし、合格しても大学に行くのを認めてくれないんじゃないかと考えていたのですが、意外にも進学することを応援してくれたのでよかったですね」
就活はESで9割落ちた
こうして波乱万丈の浪人生活を終えたロクさん。
彼に浪人してよかったことを聞くと、「勉強を積み上げる習慣ができたこと」「失敗、挫折し、軌道修正する経験ができたこと」、頑張れた理由に関しては、「途中から大学受験勉強が楽しくなってきて、学ぶ楽しさを知ったから」と答えてくれました。
「浪人をした経験は、社会人になった後も活きていると思います。TOEICやビジネス系の資格取得の勉強を継続してコツコツできるようになりました。仕事でつらいことがあっても、あのときに比べればマシだと思えるようになったのはとても大きいですね」
24歳での大学生活は、最初の1年こそ公認会計士の資格取得の難しさを痛感して1カ月で挫折し、なかなか友達もできずに孤独な日々を過ごしたそうですが、年齢を気にして自分から周囲と距離を作っていたことに気づき、2年目から少人数制の授業を率先して受けたところ、少しずつ友達ができて、大学生活が充実してきたそうです。
就職活動では、IT企業を中心に100社にエントリーしたものの、ほとんど書類で落ちて面接に進めたのは10社ほど。
とあるIT企業で受けたグループワークでは、途中で人事に呼び出され「その年齢で選考を受けて、ほかの学生がかわいそうだと思わないの?」と辛辣な言葉を浴びせられ、落とされたこともあったそうです。
しかし、その後もくじけずに志望する業界を広げて就職活動を続けた甲斐もあり、東日本エリアを管轄している大手鉄道会社に就職することができました。
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