東武博物館「スカイツリーライン高架下」の異空間 限られたスペースに展示車両がずらりと並ぶ

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「やはり鉄道系の博物館として、実物の車両の保存というのはいちばんに考えていかなければいけない使命であり魅力だと思っているんです」

こう話してくれたのは山田智則館長だ。

東武博物館館長
1720系デラックスロマンスカー「けごん」のヘッドマークの前で東武博物館の山田智則館長(左)と学芸担当課長の山田貴子学芸員(撮影:鼠入昌史)

東武博物館は、東武鉄道創立90周年を記念して1989年に開館。当時は6両だった保存展示車両は、いまでは12両にまで増えている。

「東武鉄道の開業時に走った蒸気機関車、電化されて初めての電車、電気機関車と『1号車両』が3両そろっているのが自慢の1つです。ただ、どうしてもスペースには限りがあるので、先頭部だけなどの限定的な形での保存になっている車両もあります」(山田館長)

実際に“動く”蒸気機関車

エントランスを入ってすぐのところにある5号蒸気機関車は、1899年の東武伊勢崎線開業時にイギリスから輸入した12両の蒸気機関車の1両。1日4回、動輪を動かし汽笛を鳴らすパフォーマンスを行っている。

5号蒸気機関車と向かい合うように並んでいるのが、1924年の浅草―西新井間電化に際して導入された“東武最初の電車”のうちの1両、「デハ1形5号」電車だ。木造の、いかにも戦前の電車といった風合いで、車内に入ることもできる。出入り口など細かいところの意匠にもこだわりがあるのは「最初の電車」だからなのだろうか。

5号蒸気機関車
エントランスを入ると最初に目に飛び込んでくるのが「5号蒸気機関車」。奥が「デハ1形5号」。全貌は現地で見ていただきたい(撮影:鼠入昌史)
東武「デハ1形」の車内
デハ1形5号の車内。窓枠から床まですべて木造で、運転台もポールで仕切られているだけだ(撮影:鼠入昌史)
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