この差こそ「それっぱい」か「オーセンティック」であるかの、ごくわずかな差です。しかし鑑賞者にはそれが「決定的な差」だったのです。それほどに私たちは芸術のオーセンティシティというものには敏感な生き物で、それを狙って作り出せるのは、役者やクリエイターという一部の特殊能力を持った人だけなのです。これをAIによって置き換えるのは難しいでしょうし、そもそも置き換えるべき理由がないように思います。
AIの登場で英語の勉強の目的が変わるかも
一方、クリエイティブな作業でも、単純で時間ばかり浪費してしまう作業はAIが肩代わりして行くことになるでしょう。ビジネスの世界でも通知や議事録などはすでにAIが活躍を始めています。しかし、ここぞという人間力で勝負するような場面では、少々たどたどしくても生身の人間の存在が必要なのです。
そうなると、英語の勉強も少し目的が変わってくる可能性も。「意味さえ伝わればいいんだ」と、文法や発音に重点を置いてきたならば、そうした部分はAIによる支援を得ながらも、相手の気持ちを掴むような「自信のある話し方」を学ぶことが最終目的になっていくかもしれません。
翻って真田さんの英語はクリアに相手に言いたいことを伝えながらも、演技を通じて身につけた自信のある語り口で相手にオーセンティックな印象を残すことができるのです。
この能力で「SHOGUN」のハリウッドの制作チームを説得し、日本語によるセリフを採用させ、日本人のスタッフやキャストを起用することができたのだと思います。
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