では、リアルタイムな会話はどうでしょう。一応私もAI半導体の会社の人間なのですが、その私が推測するところでは、まもなく会話についてもリアルタイムにAIが通訳をしてくれる時代がくると思われます。
そうなると、駅で道を聞いたり、レストランで注文をする時に困ることもなくなるので、海外旅行などで英語が通じず心細い思いをすることもなくなるでしょう。
AIにある「何か欠けている感じ」
ただ、それでも英語を学んで、話せるようになることの価値は大いにあると思います。英語と日本語という距離のあるもので考えると実感が湧かないのですが、日本語と日本語で考えるとわかりやすいかと思います。
例えば営業マンが大勝負の商談をAIに任せたとして、AIがどんなに流暢なプレゼンをしてくれたとしても、何か重大なものを伝えられないような不安がまとわりつくのではないでしょうか。
高校生の男子が好意を寄せている女子に交際を申し込む時、これをAIに依頼するとさぞかし洗練された言葉を駆使してくれるとは思いますが、それははたして男子高校生の告白としてふさわしいのでしょうか。相手の気持ちを動かせるのでしょうか。
このAIを使った時に感じる「何か欠けている感じ」こそ「オーセンティック」なのだと思います。なかなか表現しにくいのですが生きた人間の心から発せられる言葉だけが持つ力のようなものがあり、人は誰もそれを感じる能力を備えています。
この会話の中で感じるオーセンティックな印象というものは、たとえ外国語であっても感じとることができます。
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