アメリカでは多くの移民が活躍しており、特にIT業界にはインドや中国など、多彩な国から才能を持った若者が集っています。この人たちが、全員英語がとても流暢かというと、必ずしもそうでもありません。ただし彼ら全員に共通して言えるのは、必要な意思疎通ができる「わかりやすさ」があるという点です。
もう1つ、特にビジネスで評価されている非英語圏の人に共通しているのが、自信を持って話しているということです。自信満々というのは日本では生意気と思われかねませんが、明確な主張を、自信を持ってすることは、アメリカのビジネスではむしろいい評価を得られます。
こうしてみると真田さんの英語も、発音や話す速さなどではネイティブとは言えない点も多くあるのですが、シンプルな構造のセンテンスを使って言いたい点をしっかりと伝えています。そして何より、まったく臆さず自信を持って話せている点が、「真田さんは英語がうまい」と感じさせているのでしょう。
人前で話すためのスキルはメンタルな要素が大きいと思いますが、俳優業はこのスキルを究極まで鍛え上げるのに最適な職業の1つ。また、俳優として身につけている相手の感情を動かすための表現力も真田さんの英語に魅力を与えているのではないでしょうか。こうした能力さえあれば、英語でネイティブを目指す必要などないのです。
もっとも、真田さんは日本で育った日本人としてはかなり英語がお上手です。おそらく日本の外資系に務めている日本人社員の平均よりも流暢なのではないかと思います。
AIで英語を学ぶ必要はなくなる?
ところで、最近は人工知能(AI)の進化もあって英語を学ぶ必要性がなくなると考える人もいるのではないでしょうか。
確かにAIの翻訳能力の進歩は素晴らしいものがあります。A4 2〜3ページもある長い文章で、これまで翻訳者に特急でお願いしても1日かかった作業が30秒程度で終わってしまいますし、意味を間違えることもほぼなくなってきています。AIがあれば、メールや文書に関してはほぼ英語力は不要と言えるでしょう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら