党員は大きく「地方」の党員と「職域」の党員にわかれる。前者は、例えば地方の中小企業の経営者や農家の人などで、地元の市会議員や県会議員を応援しているような人。
後者は自民党を支持する業界団体や〇〇政治連盟などで、その代表例が小規模郵便局の局長で構成される「全国郵便局長会(全特)」。9 月 20 日に小泉進次郎氏が全特の幹部に党員票獲得へ支援を要請したことが報じられたが、それだけの影響力を持っているということだ。
業界団体とか、職域で構成されているので、当然男性比率が高い。それを特殊と見るかどうか。しかし、そういう人も町では生活している。例えば、車工場を経営している自民党員で、選挙になったら集会で応援するという、一般的な地方のオヤジさんがいたとする。でも、その人のお客さんが何党支持とかは関係ないし、当然、色々な人の意見は聞くわけだ。
かつては今の総裁選の仕組みはなかった
――そうするとかなり……
柔軟な人たちではある。経営者は冷静な方も多いので、ノリや勢いだけで投票をしたりはしないだろうと考えられている。そもそも、年間4000円も払うっていうのは世の中に対する意識も高いわけで、しかも郵便投票というのは結構な労力なのでいくつもの「リトマス試験紙」を通って投票するわけだ。
――党員も参加するという総裁選の仕組みは自民党自体が決めたものなのですか?
この仕組みはもともとなかった。自民党ができたのが1955年だが、このときにはない。それまでは国会議員しか投票できなかった。党員が参加するという方式ができたのは1978年で、最初は「予備選」と言っていた。ロッキード事件や政治不信もあって、もっと世論を反映しなければ、という声が上がったことが背景にある。
1978年の時には、予備選挙で、なんとそもそもトップになる予定だった現職の首相、福田赳夫氏が負け、対抗馬だった大平正芳氏が勝ってしまった。そこで、福田氏は結局辞退することになる。この時に「天の声には変な声がある」といったのは有名な話だ。
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