異例ずくめの「総裁選」が映す自民党の崖っぷち感 まるで大相撲の巡業並み?長期決戦の舞台裏

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総裁選の勝者が首相になるので、注目せざるを得ないし、注目することは全然悪くない。「自民党のニュースが多すぎる」という違和感を持つ人がいても不思議ではないが、制度として第一党のトップが首相になるので、それに注目するのは必然的。アメリカの大統領選も1年がかりでやっている。

日本の政治には結構民意が反映されている

――ただアメリカの場合は直接選挙で日本とは違います。党員が105万人と言われていますが、党員でない国民からは民意が反映されている感が薄い。

アメリカとは制度が異なる。日本の議院内閣制では、原則、多数の政党のトップが総理大臣になる。つまり日本の政治は政党が基本。「自民も維新も立憲も嫌だ」という人が多いが、ルールが政党単位なっている。だから、国会議員じゃない人は総理大臣になれない。ただ、選挙で政党は選ぶことはできる。

しかも、二院制の日本では世界的に見ても多いと言われるほど、頻繁に選挙がある。参院選は3年ごとに半数改選、その間に衆院選も入るし、各種自治体選挙も目白押しだ。

だから、民意は世間が思う以上に反映されている。総裁選は「自分たちに関係ない」という感じがあるのは、国民の1%しかいない、自民党員だけ総裁選における有権者だからだが、自民党自体は3年前の選挙で国民によって「選ばれた」政党だ。

――総裁選では国会議員だけでなく、「党員」も投票しますが、「党員」というのがややブラックボックス感がありますね……。

特に公開する義務もない。4000 円の党費を 2 年間払っている自民党員および党友(政党の外部の支援者)が選挙に参加できるのだが、そういう人たちは普段からメディアにも触れているので、広い意味では国民世論に引っ張られている。今回の総裁選をいろんな人が注目して、それがイコール監視になれば自民党員が"変な選択"をすることもなくなる。

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