日本の大学はグローバル競争で生き残れるか 世界大学ランキング評価担当者に聞く

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それから、グローバルな視野を持っているかという点も評価する。こうして、包括的でかつバランスの取れたランキングになっていると自負している。

――それぞれの評価項目はどのようなバランスで配点していますか。

包括的にバランスを取ることを重視してはいるが、やはり研究に関する指標のウエートは高くなっている。6割が研究に関する指標、3割が教育内容。そして、グローバル展開について7.5%。研究に関する指標については、研究の総量や生産性について30%、どれだけインパクトを与えたか(論文引用数)に30%、企業との連携という項目に2.5%と分かれている。

このランキングは、全体を通してグローバルな絵を見せることが目的。グローバルな競争の中で、果敢に新しい知識を生み出すことに挑戦しているような大学は、やはり評価されるべきと考えている。

――2004年に世界ランキングを発表し始めて以来、時代に合わせて評価項目や配点をどう変えてきましたか。

04年以来このランキングは、大学の戦略立案、学生の進学先決定においてはもちろん、政府の意思決定の場面においても大きな影響力を持つようになってしまった。

こうした重要性の高まりを受け、10年に大胆な改革を行った。米情報サービス会社のトムソン・ロイターと、データの収集、分析などにおいて提携関係を結び、評価の質をさらに上げることにしたのだ。

それまで6つの指標しかなかったところを、13にまで増やし、より総合的な評価ができるようになった。また、より客観性を高めるために、評判に関する指標のウエートを低くし、収入に関する指標などを加えた。論文引用数から研究の質を測れるようにもなった。

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