「罰ゲーム化する管理職」にZ世代は何を思うのか 脱ブラックが進む職場でブラックに働く管理職

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田川:僕はありがたいと感じています。ただ、怒ってくださるのも愛じゃないですか。怒るほうも体力を使いますし、きれいごとでなく、怒られなくなるのは怖いです。会社にもちゃんと怒ってくれる人がいるので、その方の存在は大きいと思っています。

崎山:僕も怒られないのは、本音としてはありがたいですね。間違いなく楽ではあります。ただ、怒られることで自分の成長につながるところがあるとも思っています。無理に今の状況が変わってほしいとは思わないですけど、楽なほうに流れてしまう怖さはありますね。

舟津:怒られることも必要だと思っているということですね。ただ、先日とある弁護士の方と話した際に聞いたのですけど、「そんなことではハラスメントにならない」と思うような案件は確実に増えているそうです。そのように「火のない所に」となってしまってはいますし、ただ現実的に問題になる案件は絶対数としてはかなり少ないはずなんですけど、確率はゼロじゃないから、会社や上司からすればやっぱりびびってしまうんですね。

逆にみなさんの中で、これは完全にハラスメントだとか、ラインを超えていると思うようなことってありましたか。

自分たちより怒られていない世代への恐怖

田川:質問への正確な答えではないんですけど、「これがラインを超えた扱いになるのか」とびっくりしたことがありました。高校1年生の弟が通っている学校で、居眠りしている生徒の机を先生が蹴ったそうです。それがすごく問題になって、親からも先生にクレームの電話が入ったそうで。正直僕としては、そんなことで騒ぐか、と思ったんですが、弟も「ありえなくない?」という言い方で、すごくギャップを感じました。

舟津:そうか。新社会人の田川さんと高1の弟さんの間にすら、もうギャップがあるんですね。

田川:全然違うと思いますね。

舟津:私も本の中で、怒られない社会になると怒られることへの耐性がなくなってしまうということを書いたんですが、それがますます進んでいる印象を受けますね。木下さんはいかがですか。

木下:私もハラスメントの場面を目撃したことはないんですけど、田川さんと同じように「それで大騒ぎになるの!?」ってびっくりしたことがあって。

中学生時代の話で、私にとって当時所属していたバスケ部の先生はすごく厳しい人で。作戦板を投げたりすることもありました。ただ、私が卒業してから数年後になぜか坊主にしてるっていう噂が流れて、なんでだろうと思ったら、親から「厳しすぎる」と言われて、反省の意を示すために坊主にしたそうです。私が言うのもなんですけど、そんな環境で大人になったらどうなっちゃうのかなって思っちゃいますね。

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