「罰ゲーム化する管理職」にZ世代は何を思うのか 脱ブラックが進む職場でブラックに働く管理職
舟津:それは崎山さんの積極性のたまものだとは思いますが、それに応えてくれる会社の制度や社員の方がいてよかったですね。おそらく、その方が本音を話してくれたから崎山さんが納得できているところが大いにある。そういう文脈で、「Z世代はなかなか本音を話せ(さ)ない」と言われることがありますが、就活でも仕事でも、どれくらい本音を話せていましたか。
察することを求められる社会
木下:私は本音を話さなくて後悔していることがあります。新人研修の後半で人事部との面談があったんですが、強がって「楽しくやれてます」って答えたんですね。人事の方は「配属先には関係ないよ」って言ってたんですが、今になってやっぱり関係していたんだと思います。というもの、今の部署が、社内では大変、忙しいとされる部署で、ちゃんと本音で話せてたら、自分にもっと合った部署に行けてたのかなと後悔しています。
舟津:あるあるだとは思いますけど、難しいですよね。そもそも選考に関係ないのであれば別に聞く必要がない。ただ配属に関係あると言ってしまったら裏読みしちゃうし、「言質」をとってしまうから、あえてそうじゃないと言っていると。
鳥羽和久さんと対談したときに出た話として、今の社会って裏読みを求める社会ですよねと。「口には出していないけど、本当はこう思ってるんでしょ」をひたすら察するように求められる。木下さんのお話はすごく象徴的です。ただ、本当に本音しか喋らないとそれはそれで会社的にも困るので、裏読みも必要なことではあるんですよね。確かめられないのが難しいところです。田川さんは、いかがですか。
田川:まず、入社前と後のギャップは制度についてはなかったです。リモートワークができて、残業代がついて、土日祝日は休みでっていう。ただ、木下さんと同じように、断トツで忙しいぐらいの部署に配属されてしまって、取引先に出向くこともありますし、残業も多いというギャップはありましたね。
研修中に人事面談もありましたが、たしかに同期の間でも裏の読み合いがあって、あまり本音は話せませんでした。結局のところ、入社前から部署は決まっていたという噂もありますし。
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