「年収500万?」コンサルの俗化が進む困った事情 「安かろう悪かろう」が蔓延し、レベルの低下も

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いったいどんなコンサルティングを行っているのか? そして、いくらくらい企業から報酬を得ているのか? コンサルタントにこんな年収しか払えないようであれば、おそらくコンサルタント料も推して知るべしだろう。

とくに戦略系のコンサルティングというものを考えたとき、最低でも7000万円から8000万円は払わなければ、まっとうなコンサルタントは雇えないと考えるべきだ。ふつうなら億、大きな案件なら10億を超える。

戦略系コンサルティングとは、企業経営の基本的な方針や方向性をマネジメントする仕事だ。当然、会社の命運を直接左右する。

コンサルティングがうまくはまれば、会社は一気に成長することもある。大きな会社であれば何百億円、何千億円の売り上げや利益を上げる可能性だってある。そんな結果をもたらしうる戦略系コンサルティングだからこそ、企業は相応の報酬を支払う。

学者と職人と芸術家の能力が必要

一方、それだけの期待をになって雇われるコンサルタントは、企業経営に関するあらゆる理論と実践に精通し、会社のさまざまな問題に対して解決策を提示できなければならない。そのためには、まず膨大な知識と情報、そして経験値が必要になる。

それだけではない。その企業にとって何が一番の問題であり課題なのか? まだ誰も意識化できていないところに光を当てる力が求められる。それには知識や情報だけでなく、ある種のクリエイティビティが不可欠な要素となる。

つまりコンサルタントは学者のような知識と情報を持ち、さらに職人のような現場感覚とそれに基づく経験値を持ち、その上で芸術家のようなクリエイティビティが要求される仕事なのだ。

そういう力を身につけるには、大変な勉強と努力と、そして持って生まれた才能が必要だ。1人の優れた戦略系コンサルタントが誕生するためには、お金も時間も労力も、大変なコストがかかっているわけだ。

そんなコンサルタントの年収がわずか数百万ではおかしいし、彼らによるコンサルティングが数千万円に満たないはずがない。もしそんなコンサルがいたら、それはまがい物のコンサルだということだ。

残念ながら、コンサル全盛の時代という言葉とは裏腹に、安かろう、悪かろうのコンサルタントもまたあふれている時代だと思う。

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