有料会員限定

富士通が目指す、「コンサル人員1万人」への壁 アクセンチュアの"領空侵犯"に危機感③

✎ 1〜 ✎ 18 ✎ 19 ✎ 20 ✎ 21
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小

富士通は本体と子会社Ridgelinezとの”二刀流”で、コンサル強化を目指す。

富士通のコンサル1万人計画を説明する大西俊介副社長(撮影:梅谷秀司)

特集「進撃のアクセンチュア」の他の記事を読む

総合コンサルの巨人、アクセンチュアの成長が止まらない。戦略からITまで横断的に顧客を囲い込み、売上高・人員ともに拡大中だ。本特集では同社の最新事情を詳細にリポート。異業種を含めたライバル企業の動向もお届けする。

2025年度末までにコンサル人員を1万人に──。コンサルティング能力強化に向け、国内SIer(システムインテグレーター)で最も野心的な目標をぶち上げたのが富士通だ。単純計算で従業員の12人に1人をコンサルにする大規模な構想となる。

新ブランドは「ユーバンス ウェイファインダーズ」

富士通では、2019年に就任した時田隆仁社長が「IT企業からDX(デジタルトランスフォーメーション)企業へ」をテーマに掲げ、大胆な事業改革を進めてきた。2023年公表の現中期経営計画で「コンサル能力を1万人に拡充」する戦略を示し、2024年2月にはコンサル事業の本格展開に向けた新ブランド「ユーバンス ウェイファインダーズ」を創設した。

足元では、企業が長年利用してきたレガシーシステムを刷新したり、DXを導入したりする需要が拡大。既存顧客の要望に逐一応じてシステムを構築する“御用聞き”から脱し、DXの戦略・立案から実装までを担うビジネスだ。顧客の課題をくみ取って解決するため、最適なシステムを提案するコンサル能力が求められている。

同社のコンサル事業を統括する大西俊介副社長は「(顧客企業の)歴史やカルチャーといった背景も含め、俯瞰的にビジネスモデルを理解し、相手のエグゼクティブと話せる人材が必要だ」と強調する。大胆な数値目標を示したのには、社内に「経営の意志を示す」(大西副社長)狙いもあった。

富士通がとくに期待するのはコンサル拡大による成長戦略加速だ。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD