40~50代でもキャリアチェンジを果たした事例がある

コンサルティング業界はいつからこんなに拡大していったのだろうか。非上場企業の多いコンサル会社の場合、「社員数」というのが企業パワーを表す指標の1つでもある。まして人手不足の中、優秀な大学生やビジネスパーソンを大量採用するコンサル業界に、世間は一層注目している。
この業界を長年見てきたムービン・ストラテジック・キャリアの久留須親(くるす・ちかし)シニア・パートナーを訪ねた。
日本企業はコンサルを使うのがご法度でなくなった
――事業会社からコンサル業界への転職志望者が増えています。
時代の影響を受けない、AI(人工知能)に置き換わることのない、汎用性の高いスキルを得られることが大きい。終身雇用・年功序列という日本のカルチャーがなくなる中、長く働き続けるため、手に職をつけたいと考えるビジネスパーソンが増えているからだ。比較的給与が高い、人気職種のブランドに乗りたいと考える人もいるだろう。
――大手ファームはいつから採用を強化し始めたのでしょうか。
リーマンショックの余波が落ち着いた2013~2014年頃から拡大路線に舵を切った。戦略系というよりは、ITの実装まで担う総合系・業務系のファームで顕著だ。当時のデジタル化やグローバル化の流れも採用強化を後押しした。直近であれば、コロナ禍における経営や働き方の環境変化、人手不足が優秀な人材の確保に向かわせている。