年12兆円の損失という経産省の試算はコンサルに追い風だった。ただ、問題は「崖」の後の収益モデルだ。

経済産業省が2018年に発表したリポートで言及されたのが、「2025年の崖」だ。2025年までに日本企業がシステム刷新を集中的に推進しなければ、当時の3倍に当たる年12兆円の経済損失が生じる可能性がある、とリポートは指摘した。既存のシステムが部門ごとに構築され全社横断でのデータ活用ができなかったり、過剰なカスタマイズで複雑・ブラックボックス化していたりすることが、その理由とされる。
2025年を区切りにしている理由としては、統合業務システム(ERP)の代表格である「SAP」の標準サポートが2025年末に終わる影響が大きい(その後、期限は2027年に延長)。企業はそれまでに現行製品の「SAP ERP6.0」から、データの高速処理やクラウド対応を売りにした最新製品「SAP S/4HANA」に移行しなければならない。ベテランのIT人材の異動や退職も追い打ちをかけている。
「SAP依存」という潜在的リスク
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