近視の人は要注意、若くても陥る「緑内障リスク」 40代になったら受けておきたい「目の検査」2つ

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ただ、自覚症状が出てからの治療は厳しいのが現状だ。今の医学では傷んだ視神経を治療で元に戻すことはできず、進行を遅らせることが目的となる。したがって、治療が遅れるほど失明するリスクが高くなる。

一方、自覚症状がない初期の段階で緑内障が見つかれば、治療によってその状態を維持でき、視野が欠けて見えにくくなるといったことや、失明するリスクは低くなる。

緑内障は「点眼薬」で治す

では、緑内障の治療ではどんな治療が行われるのか。

まずは、眼圧を下げる点眼薬が基本となる。目指すのは症状を悪化させないことで、2~3カ月に1回、定期的に受診して治療を継続していく。

点眼薬で眼圧が十分に下がらず、症状が進行していく場合は、手術をすることもある。ただ、手術は房水の流出をよくして眼圧を下げることが目的なので、緑内障による神経の障害を根本的に治せるわけではなく、術後も通院が必要となる。

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頻度は少ないが、点眼薬が効かない緑内障のタイプ(閉塞隅角緑内障)もあり、この場合は最初から手術が必要になる。

一般的にみて「緑内障は恐ろしい病気」と思われているが、正しく理解して、治療を受ければ、決して怖くはない。実際に緑内障になって失明する人は、1%もいない。

「緑内障と診断されただけで仕事を辞めてしまったり、うつ病になってしまったりする方もいます。そもそも、健診などで指摘されたのに怖がって受診しないという方もいます。適切な治療を受ければ、生涯普通に日常生活を送れる可能性が高い。自覚症状がないうちに診断されたらラッキーだと思って、治療を受けてほしいと思います」(相原医師)

(取材・文/中寺暁子)

東京大学医学部眼科学教室教授
相原一医師
1989年、東京大学医学部卒、98年、東京大学大学院生化学細胞情報部門卒業。カリフォルニア大学サンディエゴ校緑内障センター主任研究員、四谷しらと眼科副院長などを経て、2015年から現職。日本眼科学会指導医・専門医、日本緑内障学会理事。
東洋経済オンライン医療取材チーム 記者・ライター

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