近視の人は要注意、若くても陥る「緑内障リスク」 40代になったら受けておきたい「目の検査」2つ

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■眼圧検査

目の検査にはほかに、眼圧を調べる「眼圧検査」もあるが、緑内障の早期発見には眼底検査のほうが勧められる。それはなぜか。相原医師はこう答える。

「眼圧検査ももちろん大事ですが、先ほどお話ししたように、眼圧が正常値でも視神経乳頭が傷んでいる人がいる。そう考えると、眼圧検査だけでは緑内障は見逃されてしまうのです」

むしろ、眼底検査に加えて「視野検査」を受けることが、より望ましい。

■視野検査

視野検査は機器の前に座って、視線を動かさずに、あちこちに出てくる光が見えるか、見えないかをチェックする。これにより、視野が欠けているかどうかがわかる。ただ、計測に時間がかかるといった難点があり、人間ドックや健診施設では広くは普及していない。

ちなみに、コンタクトレンズを購入するときの検査は、一般的に視力検査のほか、屈折状態を調べる検査、眼圧検査が行われることが多く、眼底検査をするかどうかは眼科によって異なる。コンタクトレンズの処方のたびに眼科を受診しているから安心、とは言い切れないのだ。

相原医師は「緑内障が増え始める40歳を過ぎたら、一度は眼底検査を受けてほしい」と強調する。

人間ドックや健診でも目の検査が行われている。そこで「緑内障予備軍」と指摘された人もいるだろう。“眼圧は高いが、視神経乳頭は傷んでいない”、あるいは、“視神経乳頭に異常は見られるが、視野障害はまったくない”といったケースだ。

「緑内障予備軍の場合、すぐに治療する必要はありませんが、1年に1回は眼科で検査を受けてください。たとえ緑内障が見つかっても、早期から治療を開始することで進行を遅らせることができます」(相原医師)

「視野が欠ける=黒くなる」は間違い

緑内障になると視野が欠ける症状が出てくるが、初期に自覚するのは難しい。その理由を相原医師はこう説明する。

「視野が欠けるというと、一部が黒くなるようなイメージを持つ人が多いのですが、それは間違いです。視野の一部が“霧がかかったようにかすむだけ”なのです」

さらに鼻側の視野から欠けることが多いため、両目で見るとそれぞれの視野で欠けている部分を補ってしまう。高齢者の場合は、視野がかすむのを白内障だと思い込んでしまうこともある。

緑内障が進行すると、欠けた範囲が広がっていく。その結果、文章を読んでいるときに文字を読み飛ばしてしまったり、運転中に突然、横から人が飛び出してくることに気づかないでヒヤッとしたりするようになる。

こうして視野が欠けていることを自覚するそうだ。

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