「共感ばかりしていると頭が悪くなる」の納得理由 自己成長できない根本的な問題が隠されている

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最近の生成AIブームを考えてみましょう。当社でも「最新の生成AIを導入したい」(=HOW)というクライアントからの依頼が増えています。

多くの場合、その目的は「効率化」です。さらに突き詰めると、「原価低減」や「人件費の削減」が真の目的(=WHY)です。では、生成AIの導入が必ずしも効率化を達成するかというと、そうではありません。

たとえ導入したとしても、そのソフトやシステムを使いこなせる人材が少ない場合は、その分当初よりコストが膨らみます。特に、技術的なノウハウが必要になる場合、永遠にそのコストを圧縮できない状態に陥ります。

そしてこの生成AI活用術のブームが過ぎ去ったら(細かいノウハウを必要としない技術が追加されたら)、かけた予算は水の泡です。そしてその時代はすぐそこまで来ています。

この場合は、AIのアルゴリズムを経営陣が理解する必要があります。なので弊社では、そのような相談がきた場合は、まずは導入コストをかけたことによる最悪のシナリオと、AIのアルゴリズムを簡素化して教えるようにしています。よくないと知っていて、高いシステムやコンサル人員を提供するコンサル会社もあるようですが……。 

つまり、目的の本質を見失わずに、自分の頭で根っこの部分を理解してから、最適な手段を選ぶことが必要ということです。

捨てきった先に残るのは「自分の思考」

『消耗せずに成果が出る「情報の捨て方」』(三笠書房)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

さて、もうおわかりかと思いますが、「コンサルを捨てる」の裏側には、要するに「自分で考える機会を捨てない」があります。何事においても、一瞬で解決できる「魔法の杖」を与えてくれる人はいません。そもそも、そんな杖自体が存在しませんから。

さんざん自分で考えてみて、ようやく「試してみる価値のある解決策」が見えてきます。それすらも、試したらダメかもしれない。ダメならダメで、さらなる打開策を練る。

成果を出せる人間こそ、この地道な思考と作業をくり返します。当事者として人生の舵をあやつり、航行していくとは、こういうことなのだと思います。

山本 大平 経営コンサルタント、F6 Design代表取締役

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やまもと だいへい / Daihei Yamamoto

2004年京都大学大学院修了後トヨタ自動車に入社。エンジニアとして新型車の開発業務に携わる。トヨタグループのデータサイエンスの大会で優勝経験を持つ。その後TBSへ転職。日曜劇場、SASUKEなど、注力番組のプロモーション及びマーケティング戦略に従事。アクセンチュアにて経営コンサルタントの経験を経て、マーケティング総合支援会社F6 Design創業。ChatGPTを含めたAIの利活用や経営に資するマーケティング戦略のプロ。アコーディア・ゴルフ執行役員CMO、DMM.make AKIBA戦略顧問、SCENTMATIC戦略顧問/CMOなど、大手からベンチャーまで数多くの企業の要職を歴任/兼任中。『トヨタの会議は30分』は初著書ながら10万部を突破。

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