「共感ばかりしていると頭が悪くなる」の納得理由 自己成長できない根本的な問題が隠されている

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

共感癖のある人は否定癖のある人と同様に、フラットに話を聞けず、自己肯定を優先して共感してしまうため、物事の本質を自力でつかめない人間になってしまいます。

そして、そのうち不要な情報と適切な情報の取捨選択すらできなくなってしまいます。そのため、共感基軸で判断をしていると人間はバカになってしまうのです。

それでも、人はみな共感したいし、共感されたい生き物。「うん、うん、わかるよ」という態度は、お互いに安心感を生みます。だからこそ「共感ビジネス」があふれているのですが、「共感」には上述したような思考力低下という落とし穴があることも覚えておくべきです。 

大切な人が悲しんでいたら一緒に悲しむ。喜んでいたら一緒に喜ぶ。プライベートなら問題ありません。しかし、仕事や学びの場でどんな情報でも自分の共感領域に引き寄せてしまうことは、「本当の意味での共感」とはまったく別のことなのです。

「一緒に考えてほしい」は失敗のもと

では、私たちはどのように思考すればよいのでしょうか?

企業が問題解決に行き詰まると、経営コンサルタントに頼ることがあります。弊社の仕事も、外部の知見や発想を必要とする企業があるから成り立っています。

しかし、本音はコンサルを必要としない世の中であってほしいのです。なぜなら、私自身は事業会社を経てからコンサルタントになっており、特に最初にいた会社が「とにかく自分でなんとかする」というスタンスの会社だったので、コンサルになるまでは(なってからも)、コンサルビジネスには懐疑的だからです(笑)。

本当はすべての企業が自ら課題を見つけ、自ら解決策を見出せることができれば、それに越したことはない、と考えています。

そして、この「誰かに頼る」は、企業の問題解決だけに限ったことではありません。

世の中には、個人の悩みや自己啓発、キャリア相談、資産形成、ビジネス戦略など、さまざまな分野でコンサルタントが存在します。悩みの種類だけコンサルもいて、そういったビジネスが成り立っているという事実を踏まえると、それだけ多くの方々が、誰かに悩みを解決してほしいと思っているとも言い換えられます。

そういった種々のコンサルに頼るなとは言いませんが、コンサルに頼るとしても、「まずは自分の頭で考えること」を放棄してはいけないと思うのです。

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事