しまむら、カスハラ「出禁」対応で日本が変わるワケ 「お客様は神様」というスタンスから脱却へ

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私がクレーム対応研修を行っている大手ショッピングモールでもカスハラ対策は後手に回っています。その要因として小売会社ごとに接客サービスの方針が大きくことなることが挙げられます。複数の小売会社がテナントとして入っているショッピングモールは統一したカスハラ対策が立てづらい環境だということです。

上記のような状況の中で、高島屋グループが2024年7月に「カスタマーハラスメントに対する基本方針」を制定しました。これは大手百貨店では初の施策です。百貨店とショッピングモールでは客層に違いはありますが、これにより同じ小売業であるしまむらグループも対策に踏み切りやすくなったという側面はあるでしょう。

さてここからは、しまむらグループが公表したカスハラ対策方針から、接客業・小売業界がとるべき対策はどのようなものなのかを見ていきましょう。

カスハラ対策マニュアルの文言は具体的に

しまむらグループの「カスタマーハラスメント対応ポリシー」によると、お客様からのハラスメント行為によって「従業員の就業環境が害される」場合には、「取引の停止や店舗等への出入りをお断り」のほか、「警察・弁護士など、しかるべき機関と連携し、厳正に対処」することを公表しています。

このように企業としての対応姿勢を対外的に打ち出すことで、悪質なクレーム客を牽制することができます。それだけでなく、発表をみた従業員も「会社が守ってくれる」と安心して働くことができ、良いことずくめです。

しかし「対応ポリシー」の内容をよく見てみると、カスハラの定義や具体的な対応策については厚生労働省のカスハラ対策マニュアルをほぼ踏襲しているだけで、これを読んだ従業員が現場でトラブルを解決することは難しいと考えます。

実践で使えるカスハラ対策マニュアルを作成するとき意識していただきたいのは、従業員が対応に迷うような曖昧な表現はなるべく具体的な言葉に置き換えるということです。

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