三菱重工の好調支える「寄せ集め部門」の凄み

連結営業利益の3割を占める"隠れた柱"に

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三菱重工のダンボール加工機械は競合機より処理スピードが速く、付加価値も高い。写真は出荷前の動作点検風景

ネットの普及でカタログ印刷など需要回復が見込めない商業印刷機械については、単独での事業継続を断念し、再編の道を選んだ。

統合相手はライバルのリョービ。重工側の出資比率は4割で、主導権はリョービが握ることになったが、事業の再建と従業員の雇用を守るためにはやむをえないと割り切った。

一方で、残った2分野のうち、紙工機械は、中国やアジアのダンボール需要増大を背景に市場自体が伸びている。そこで同機械を戦略分野と位置づけ、営業担当者を増員。独自開発した超高速処理の製函機(ダンボールに印刷、加工を施す専用機械)の受注活動強化に精力を注いだ。

結果的にはこの戦略が功を奏し、国内外で最新鋭製函機の大口商談を次々と受注。広島の印刷機械工場は増産対応に追われている。輪転機も手数料収入につながる保守サービスの強化で収益性改善にこぎ着け、紙工機械と輪転機のビジネスは今年、事業評価格付が従来の「変革」から「伸長・維持」にランクアップした。

印刷機械事業が新中期経営計画(2015~2017年度)で目指す業績目標は、売上高500億円、営業益50億円。「三菱重工全体から見ると、うちの事業は非常に小さいが、価値ある一粒として認められる存在になりたい。そのためにも、業績をもっと伸ばしていかないと」。清水社長はこういって、気を引き締める。

機械・設備部門は再編ラッシュ

今年度からスタートした三菱重工の新中計で、最終年度となる2017年度の営業利益目標は4500億円。過去最高となった2014年度実績(2961億円)から、さらに5割の拡大を目指すアグレッシブな目標数値だ。

「収益を引っ張るのは(ガスタービンなどの)環境・エネルギーと機械・設備システムの2ドメイン」(宮永社長)。機械・設備は部門利益を直近の倍近い1600億円まで伸ばす計画を立てている。

そのために推し進めている施策が事業の再編だ。ここでいう再編は2種類がある。

次ページ2種類の「再編」とは?
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