三菱重工とIHI、ターボ事業が大繁忙の理由

自動車の燃費規制を背景に需要が急拡大

ターボチャージャーの最終組立ライン(写真は三菱重工の相模原工場)

三菱重工業とIHIといえば、発電所用設備や産業機械、航空機関連など重厚長大分野を主力とする重工メーカー大手。その2社の“ある技術”が世界中の自動車メーカーから熱い視線を集めている。自動車のエンジンに搭載される「ターボチャージャー(過給機)」だ。

これは、大量の空気を強制的に送り込んでエンジンの出力(パワー)を増大させる装置。エンジンは空気が多いほど、より多くの燃料を燃焼させることができるため、ターボを装着すると出力が増す。かつてはスポーツ車のための特殊な装置だったが、近年では自動車の燃費改善のための重要なツールと位置付けられ、需要が急速に伸びている。

日本の重工2社はその世界大手メーカーで、両社の関連事業は右肩上がりで成長。IHIの2014年度の販売台数は591万台と前年度比で7%増え、売上高は1680億円と1割以上増える見込みだ。三菱重工も同17%増の630万台へと拡大。同社の事業売上高は2013年度に初めて1000億円の大台を突破し、2014年度は一気に1500億円前後にまで伸びる見通しだ。

ガソリン車への搭載が広がる

もともと2社は船舶用などの大型エンジン・ターボを長く手掛けてきた実績があり、その技術力を生かして、サイズの小さな自動車用ターボにも進出。IHIは独フォルクスワーゲン(VW)や独ダイムラー、トヨタ自動車やいすゞなどの日系各社、三菱重工は独BMWや仏PSAプジョー・シトロエン、VWなどが大口の納入先だ。

自動車用ターボの世界需要は過去10年間で倍増し、すでに年間3000万台超、金額にして7000億円規模の市場になった。その過半を占める最大市場が欧州だ。

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