1つ目。ピーク時に160万戸、このところ年間90万戸程度で推移している全国の新築住宅着工戸数はやがて40万〜50万戸へと、ここからさらに半減していくでしょう。
理由は単純で、まず「そもそもそんなにニーズがないから」。
戦後の高度経済成長期を、労働と消費という2つの側面で支えてきた、いわゆる団塊の世代(1947〜1949年生まれ)。
これに比して、現在の住宅購入ボリュームゾーン(30代中後半)の世代は、団塊世代の子供たちである団塊ジュニアよりもおよそ一回り下ですが、この世代は団塊世代の人口の半分程度。
絶対的に需要が足りないのです。
新築が買いにくくなる
新築住宅が売れなくなる2つ目の理由は「これまでのような新築優遇策は、日本の財政上いつまでも続けられないから」。
補助金や助成金、住宅ローン控除や固定資産税減免などの税制優遇を含めた広義の住宅予算のうち、およそ半分を新築住宅が占め、残りを中古住宅や賃貸住宅、介護系などで分け合う構図はいかにもいびつであり、このようなアンバランスさは早晩解消されるでしょう。
つまり新築が買いにくくなるということです。
3つ目には「建築費はさらに上がる可能性が高い」ことです。
2020年に始まったコロナ禍で、またその後のインフレ傾向で建築費は25〜30パーセント程度上昇し、B to B(Business to Business 事業者間取引)における価格転嫁はおおむね行き渡りましたが、B to C(Business to Consumer 事業者から消費者)への価格転嫁はまだ終わっていません。
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