自分のケアができないリーダーは部下に嫌われる グーグルが注目する自分で心身を整えるスキル

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つまり、リーダーがセルフ・コンパッションを実践すると、次のポジティブな連鎖が起きるとわかったのです。

●セルフ・コンパッションを実践
→リーダーとしての自覚が強まる
→メンバーを支援(仕事もプライベートの問題も)する
→メンバーはリーダーを、能力とやさしさを兼ね備えていると思う

一見、自分を大切にすることと、メンバーを大切にすることは、相反するように思えます。しかし、実際は自分を大切にできるリーダーが、メンバーも大切にできるのです。

まずリーダー自身が「酸素マスク」をつける

じつは、私たちはこのことをすでによく知っています。

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飛行機に搭乗したときのことを思い出してみてください。離陸前にキャビンアテンダントが、必ず、安全上の注意をしてくれます。

キャビンアテンダントは、「酸素マスクが天井から降りてきたら、ご自身に酸素マスクをつけてください」と言います。そのあと、酸素マスクの具体的なつけ方の説明をします。

このあと、キャビンアテンダントは大切なことを言います。

「必ずご自身に酸素マスクをつけたあと、子どもたちや周りの人々の酸素マスクをつけるお手伝いをしてください」

ここでキャビンアテンダントが強調しているのは、酸素マスクをつける順番です。

自分が酸素マスクをつけずに、子どもやまわりの乗客を助け始めたらどうなるでしょうか。すぐに自分が酸素不足になり、自分の命が危険にさらされます。そうなれば、周りを助けるどころではありません。

この注意事項は、そのまま私たちリーダーにも当てはめることができます。まず、リーダー自身が「酸素マスク」をつける必要があるのです。自分の安心・安全がしっかりと確保されるからこそ、周りのメンバーにも「酸素マスク」をつけることができ、効果的に支援することができるのです。

セルフ・コンパッションがリーダーの「酸素マスク」と言えるのではないでしょうか。

若杉 忠弘 グロービス経営大学院教授

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わかすぎ ただひろ / Tadahiro Wakasugi

東京大学工学部・大学院を経て、外資系コンサルティングファームBooz Allen Hamilton(現PwCコンサルティング)に入社。経営コンサルタントとして活躍。企業の経営戦略策定、組織開発、変革実行支援に従事。その後渡英し、ロンドン・ビジネス・スクールでMBAを取得。イギリスでは教育ベンチャーの立上げに参画。帰国後、グロービスで英語MBAプログラムのディレクターや英語オンラインMBAの設立などにかかわってきた。世界のセルフ・コンパッション教育をリードするアメリカの「センター・フォー・マインドフル・セルフ・コンパッション」で講師資格を得て、日本におけるセルフ・コンパッションのエバンジェリスト(伝道師)としても活動している。

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