自分のケアができないリーダーは部下に嫌われる グーグルが注目する自分で心身を整えるスキル
しかし、みなさんはこう思うかもしれません。
「たしかに、セルフ・コンパッションを取り入れれば、燃え尽きたり、疲れ切ったりすることは減るかもしれない。しかし、自分にやさしくしてしまったら、自分を優先してしまい、メンバーを鼓舞したり、支援したりできるのだろうか」
これもよくある誤解です。
セルフ・コンパッションは、リーダーシップのダークサイドを減らすだけではありません。セルフ・コンパッションは、リーダーシップの実践そのものも強力に後押ししてくれます。
あるボランティア団体でチームリーダーに参画した小林誠さんの話をしましょう。
そもそも、ボランティア団体でリーダーシップを発揮するのは、とても難しいものです。なぜならば、金銭的な報酬でメンバーのモチベーションを維持することができないうえ、集まるメンバーのスキルや経験もさまざまだからです。
小林さんも、そうした難しさの中で、リーダーの仕事に四苦八苦していました。大量の仕事をさばく必要があるのですが、メンバーが手を動かしてくれないのです。いつも、やるべきことの5割程度しか進捗していません。
小林さんは、仕事をしてくれないメンバーに不満をつのらせます。小林さんは、メンバーにこうしてほしいと繰り返し依頼しますが、強制することができないことにいら立ちを感じます。自分の仕事も滞っていきます。
ストレスは増える一方です。頭の回転も鈍くなります。小林さんは、悪循環に陥ってしまったのです。
セルフ・コンパッションの要素
小林さんは、あるワークショップに参加し、セルフ・コンパッションの考え方を知ります。それをきっかけに、自分が抱えている負担感が限界を超えてしまったことを自覚しました。
これは、セルフ・コンパッションの要素の1つである、マインドフルネスにあたります。自分の状況をそのまま受け入れたのです。
小林さんは、リーダーとして頑張っている友人に悩みを相談します。チームリーダーをしていれば、誰もがメンバーとの接し方に悩むものです。
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