言われなき誹謗中傷を受けたときの心の対処法 痛みを和らげるには痛みを受け入れる必要がある

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心身が何らかの対応を必要としているからこそ、痛みというSOSが発信されているのです。このメッセージを無視してしまっては、みなさんは、心身を壊してしまいかねません。

セルフ・コンパッションのエクササイズ

セルフ・コンパッションは痛みを感じ、適切な行動を促します。次の式を見てください。

痛み × セルフ・コンパッション = 行動

私たちは、痛みに抵抗するのではなく、セルフ・コンパッションを実践するとよいのです。

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では、実際にどのように実践すればよいのでしょうか。

セルフ・コンパッションの3つのポイントをなぞることです。

①自分がつらいということに気づき、バランスの取れた見方をします。これをマインドフルネスといいます。マインドフルネスとは「今に気づく」という意味です。

②次に、誰でもつらい経験をすることを思い出します。

③そして、最後に、自分にやさしさと励ましの言葉をかけます。これを自分へのやさしさといいます。

これは、セルフ・コンパッション・ブレイクと呼ばれるエクササイズです。

このエクササイズは、いつでも、どこでも、10分もあれば実践できます。慣れてくると、数分もあれば十分でしょう。このエクササイズを行うと、その場で効果が現われます。きわめて、即効性があるのです。

実際、クリスティン・ネフの研究グループが、1000人以上にこのエクササイズを行ったところ、エクササイズ直後に、ネガティブな気持ちが減り、ポジティブな気持ちが増えたというのです。

私が、日本のビジネスリーダーを対象に調査を行った際も、職場で同じような効果を得られています。

みなさんもぜひ、セルフ・コンパッションの技術を取り入れてみてください。

若杉 忠弘 グロービス経営大学院教授

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わかすぎ ただひろ / Tadahiro Wakasugi

東京大学工学部・大学院を経て、外資系コンサルティングファームBooz Allen Hamilton(現PwCコンサルティング)に入社。経営コンサルタントとして活躍。企業の経営戦略策定、組織開発、変革実行支援に従事。その後渡英し、ロンドン・ビジネス・スクールでMBAを取得。イギリスでは教育ベンチャーの立上げに参画。帰国後、グロービスで英語MBAプログラムのディレクターや英語オンラインMBAの設立などにかかわってきた。世界のセルフ・コンパッション教育をリードするアメリカの「センター・フォー・マインドフル・セルフ・コンパッション」で講師資格を得て、日本におけるセルフ・コンパッションのエバンジェリスト(伝道師)としても活動している。

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