新人でも、こんな社員旅行に参加義務はない 「労働契約」では、どこまで業務となる?
「職場の新入社員が社員旅行行かないんだが何考えてんの?」。そんな投稿がネット上の掲示板で話題になり、社員旅行への参加は義務なのか自由なのかをめぐって、議論になった。「何考えてんの?」と憤る投稿者自身も、社員旅行に参加したくないそうだが、「義務だから行くべき」と考えているようだ。
ネットでは「行きたくないなら普通行かないだろ」という意見もあったが、「仕事はチームワークが大事」「うち社員旅行ないからうらやましいわ飲み会も少ないしもっとコミュニケーションとりたい」といった肯定的意見もあった。職場の社員旅行に参加することは、社員の義務なのだろうか。労働問題にくわしい渡邊幹仁弁護士に聞いた。
会社の「業務」に当たる?
「まず、会社と労働者の関係が、そもそも何であるかを考えてみる必要があります。
会社と労働者の関係は、労働契約(雇用契約)により成立しています。この契約によって労働者が負う義務は、労働契約の合意内容の枠内で、労働の内容・遂行方法・場所などに関する使用者の指揮に従って、労働を誠実に遂行することです。
したがって、社員旅行に参加することが、このような労働の遂行といえるか、すなわち社員旅行が会社の『業務』として行われるのかどうかによって、参加する義務が生じるか否かが変わってきます」
では、社員旅行が「業務」かどうかはどうやって判断すればいいのだろうか。