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スター・ウォーズ「R2-D2」型冷蔵庫を作った男 「自分が欲しい商品」を作って成功する条件

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  • 伊藤 嘉明 ハイアール アジア 社長兼CEO
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細部まで精巧に作られたR2-D2型冷蔵庫。胴体部分を開くと、ペットボトルやカンが収められる

ちなみにR2-D2型冷蔵庫は、私の発案で製品化を決めた。年末に『スター・ウォーズ』の新作映画が封切られる予定で、「日本でも『スター・ウォーズ』 フィーバーが巻き起こるはずだから、弊社からもそれに合わせて何かを発売したい」というマーケティング的な発想もあるが、製品化を決めたいちばん大きな理由 は、単純に、私が欲しいからだ。

私は自宅に何千枚のDVDやブルーレイを所蔵する映画大好き人間だ。そして、『スター・ウォーズ』の大ファンでもある。そんな私が「R2-D2型の冷蔵庫があったら、自分なら絶対に買うだろう」と思ったから、作るのだ。

ソニーはなぜ4Kテレビにスピーカーをつけたのか?

社長や作り手が「自分が欲しいから」という理由で商品を作ってもよいのか。答えは「YES」だ。逆に、日本で発売される家電が、あまり「ワクワク」しないものになってしまったのは、社長や作り手が、本心から「欲しい」と思っている商品を作っていないからではないだろうか。

企業が大きくなればなるほど、新商品の開発にあたっては、綿密なリサーチや、慎重な会議が重ねられる。しかし、そうしたリサーチや会議をいくら積み重ねても、そこから「ワクワク」するような、ユーザーが「絶対に欲しい」と思う商品は生まれにくい。

私がソニー・ピクチャーズ エンタテインメントにいた頃、ソニー本体の若手社員と話していてがっかりしたことがある。新しく発売する4Kテレビに、スピーカーをつけると言うからだ。なぜスピーカーをつけるのかと問うと、「リサーチ結果で、そうした要望が多かったから」とのこと。ひとりのAV愛好家として断言するが、4Kテレビが発売されて真っ先に買うようなユーザーは、すでに自宅にサラウンドシステムを組み上げている。テレビに付属している安物のスピーカーなんて、邪魔者以外の何物でもない。 

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【「よそ者」だから、ユーザーの気持ちがわかる】

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