「情けない経営陣が従業員の努力を食いつぶす」−−オリンパス元社長ウッドフォード氏
不正会計問題に揺れるオリンパスの元社長、マイケル・ウッドフォード氏は25日午前、東京・有楽町の外国人特派員協会で会見を開き、自身の解職を巡る一連の騒動の内容について説明した。
その後、ウッドフォード氏は東洋経済との単独インタビューに応じ、一連の問題について「情けない経営陣が従業員の努力を食いつぶす。現在の経営陣は一掃されるべきで、虚偽の決算を曝露したことで訴えるならば受けて立つ」などと述べた。主なやりとりは以下のとおり。
--25日に開催された取締役会でどのような話がなされたのか。
「本日の役員会の内容に関しては、当然法的な拘束もあるのでここで話せる範囲は限られている。だが、当然、上場を維持できるかどうかについては、話題になった。上場廃止は、従業員や株主などすべてのステークホルダー(利害関係者)に深刻な損害を与える。避けられるものであれば避けたい。上場を維持できるかどうかの見通しについて詳細は述べることは出来ないが、直近の四半期報告書を期限となっている12月14日までに提出できるどうかが、ポイントの一つになる。
本日の取締役会では、出席メンバーに対する簡単なアンケートも実施した。『オリンパスの本業と全く関係ない取るに足らない小さなベンチャー企業3社に、買収時点で在職していたか』『投資助言会社への高額な報酬価格が問題となっているジャイラス社の買収時点で役員だったか』『私が菊川氏、森氏へ送った手紙を見たことがあるか』『私の解職時に役会に出席していたか』。当然ながら大半の役員の回答がイエスだった。
きのう24日に高山修一社長は『再生の途が見えたらいつでも職を辞す覚悟がある』との声明を発表した。高山さんが間接的ながら現役役員にも責任があることを認めているのだと思う。確かにそのとおりで現在の経営陣は一掃されるべきだ」
--「株主から復帰の要請があれば社長に戻る準備がある」とコメントされていました。「私が社長になるべきだ」と強く主張することはないのでしょうか。
「社長になる以前からオリンパスには強い愛情と責任感を持っていた。私は権力を手にしたいと思ったことは一度もない。それは今も変わっていない。だが、今回の件で少し疲れたというのが本音だ。会社に戻るにしても歓迎されていないところに戻るのは辛いことだ。叩かれてばかりでは疲弊してしまう。
特に従業員と接する機会が極端に少ないのも要因の一つだ。現在接触したのは数名の従業員と私の復職を望む’Grass roots’というオリンパスOBによる草の根的なサイトを通じてのみだ。だが、いつでも社長職に復帰する準備はできている」