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人前で話すことになったら考えたい「3つの問い」 覚えておくと便利なフレーズ「THE POWER OF ○○」

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  • 矢野 香 国立大学法人長崎大学准教授・スピーチコンサルタント
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ちなみに、「THE POWER OF ○○」は、覚えておくと便利なフレーズです。よく使われるメインメッセージの型のひとつです。

「THE POWER OF ○○」

あなたが伝えるとしたら○○には何が入るでしょうか? こうした型を知っておくことも、「伝わる人」への近道となります。

③ あなたは誰か?

「何を言ったか」より「どのように言ったか」より、大事なのは「誰が言ったか」。トップリーダーであれば、なおさらです。トップリーダーは、その人でないと話せない話を伝える人でもあります。

カリスマたちは「リーダーとしての自分」を上手に操っている

「パペット」とは、人形劇などで使われる操り人形のこと。「セルフ・パペット」とは、「自分」の操り人形のことで、人前に立つときの方法として私が名づけた呼び方です。

「リーダーとしての自分」を操り人形のように俯瞰し、「それを操る自分」と分けて考えるのです。

わたしたちは社会において、周りからさまざまな役割を期待されています。その役割を演じるために「〇〇としての自分」というセルフ・パペットを設定します。これを心理学では「イメージとしての自己」と呼びます。ある状況、ある人物間において共有される「こうあるべき」とみなされる自分のことです。他者が評価するのは、この「イメージとしての自己」、つまり「セルフ・パペット」です。

この「リーダーとしての自分」を俯瞰し、操り人形のように操ることを目指します。それを操る自分は他者に見せません。歴史に名を残すカリスマと呼ばれるリーダーたちは、「リーダーとしての自分」を演じることで、まわりの人々を動かしてきました。

トップリーダーと呼ばれる人こそ「セルフ・パペット」を上手に活用しているのです。当然そこには、リーダーとしての役割と、本当の自分との間にギャップが生じてしまいます。これを心理学では「役割距離」と呼びます。

『世界のトップリーダーが話す1分前までに行っていること 口下手な人が伝わる人に変わる心理メソッド43』(PHP研究所)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

役割距離は、現代においてはリーダーでなくても誰にでも必要な社会的スキルともいえます。SNSでの匿名発信や、本当の自分とは違うキャラのアカウントで発信することもあるからです。

現代は、だれもが「セルフ・パペット」を操る必要があるのです。現代社会においては、見知らぬ人から非難を浴びることはトップリーダーなど特別な立場にある方だけの問題ではなくなってしまいました。誰もが匿名で言いたいことを言いあえるSNSコミュニティで悪口や誹謗中傷に深く傷つき、本来あってはならない悲しい選択をする方がいることも事実です。

SNS時代の今こそ、自分を守るために「セルフ・パペット」を設定しましょう。「セルフ・パペット」が身代わりとなり、あなたを守ってくれます。

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