一部上場企業の社長や企業幹部、政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチなどのプライベートコーチング」に携わり、これまでに1000人以上の話し方を変えてきた岡本純子氏。
たった2時間のコーチングで、「棒読み・棒立ち」のエグゼクティブを、会場を「総立ち」にさせるほどの堂々とした話し手に変える「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれている。
その岡本氏の著作『世界最高の話し方』シリーズは累計20万部のベストセラーとなっているが、その「真骨頂」ともいえる「人前での話し方のスキル」をまとめた新刊『なぜか好かれる「人前での話し方」』がついに発売された。
コミュニケーション戦略研究家でもある岡本氏が「人前での話し方」を切り口に「斎藤・石丸両氏の話し方」を分析する。
2人の「心を動かす話し方」のヒミツに迫る
2024年、最も話題になった人物といえば、まさかの大逆転勝利で復活を遂げた斎藤元彦兵庫県知事、そして、都知事選で予想外の健闘を見せた石丸伸二さんの名前が上がるのではないでしょうか。
時代のあだ花? 寵児? のようなこの2人のコミュニケーション術には、決定的な「共通点」と「相違点」があります。
その両面から、「心を動かす話し方」のヒミツについて迫ってみました。
まず、この2人が注目を集めた最も大きな理由は、その勧善懲悪のシンプルなストーリーです。
改革に抵抗する守旧派議員や職員、マスメディアという「敵」に敢然と立ち向かう「ヒーロー」としてのポジショニングを獲得し、有権者の心をつかみました。
「どうせ何も変えられない」と日本の現状に絶望する人たちに、「自分の一票が社会を変えられるかもしれない」「既得権益をぶっ壊せるかもしれない」という自己有用感を埋め込み、動かしたのです。
まさに「劇場型」
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