難航した「87歳母の賃貸探し」成約のカギとは 高齢者「受け入れていない」オーナーが約4割

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
アンケート結果
賃貸のオーナーに向けたアンケート調査では、4割以上の人が65歳以上の高齢者の入居を受け入れていない(資料提供/R65不動産)

なぜ、高齢者が入居できる物件がないのか

なぜ、ニーズがあるにもかかわらず、高齢者の入居できる物件が少ないのでしょうか。

オーナーや管理会社が高齢者を断る理由として一番に考えられるのは、孤独死への不安でしょう。家賃滞納などの問題は、家賃保証会社を活用することで解決できるケースが多くありますが、孤独死の場合はそうもいきません。残置物撤去やその後の入居募集への影響など、問題解決までに時間も手間もかかります。

ニッショーの佐々木さんもこう話します。

「私たちのお客さまでも、『70代で元気だから』と話していた人が入居して3日目に亡くなられたケースがありました。一見、元気で何の問題もなさそうでも、心筋梗塞や脳梗塞など、何が起こってもおかしくないご年齢であることは確かです。

孤独死があった物件でも一定の条件を満たしている場合は事故物件には該当しないことが国土交通省のガイドラインで明文化され、告知義務はなくなりました。しかし世間の認識や感情の問題は制度の整備と同じようにはいきません。

トラブルを避けるために告知する方針をとっている不動産会社が多いため、孤独死が起きることで貸しにくくなったり賃料を下げざるを得なくなったりすることを、オーナーさんが憂慮するのは仕方のないことでしょう」(ニッショー佐々木さん)

一方で「高齢者の入居を拒まない不動産管理会社に物件を管理してほしい」と考えるオーナーは先のR65不動産の調査によると4割以上。現在高齢者を受け入れていなくても、「不動産会社などのサポートがあれば受け入れたい」と考えているオーナーも25%以上います。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事