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大学が「統合報告書」を作成する本当の目的 東大、東工大、千葉商科大…社会との対話を重視

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東大の研究トピックのうち、英語論文の被引用数などから注目度の高いものを抽出し、領域ごとにマッピングしたページを設け、研究の多様性と強みが一目でわかる工夫を施した。左から23年度版の作成を担当した経営企画部の金山慶祐係長、青木GX推進課長、菅原更紗氏 (撮影:今井康一)

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18歳人口が急減する日本では、私立大の半数以上が定員割れで、赤字も4割に達する。一方、研究成果の社会還元など大学の新たな役割も期待されている。では、そんな中で勝ち組となる「本当に強い大学」はどこか?
『本当に強い大学2024』は、入試から教育・研究、就職まで今の大学がわかるテーマを徹底取材し、1冊にまとめた「週刊東洋経済」の臨時増刊号だ。その誌面から、注目記事をお届けする。

社会との対話のツール

本当に強い大学2024 (週刊東洋経済臨時増刊)
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投資家などステークホルダー向けに企業が財務、非財務情報をまとめ、価値創造のプロセスを伝える統合報告書。大学でも社会との対話のツールとして活用する事例が増えている。

国内の大学でいち早く統合報告書を発行したのが東京大学だ。発行当初から現在まで作成を担当してきた、経営企画部の青木志帆GX推進課長は「大学の価値創造につながる資源は多岐にわたり、財務レポートなどで表せる価値は限られる。非財務情報も含めた価値を伝えるべく2018年から発行を始めた」と振り返る。

発行の目的は東大を応援してくれる人を増やすこと。社会の変化とともに大学に求められる役割は教育研究にとどまらず、地域への貢献や社会課題の解決など多様化している。

こうした役割を社会と連携して果たすために国内外の研究者、学生などからの支持や、寄付者、産業界などからの支援につなげることが重要になる。

ただ、営利企業と異なり、大学の教育研究活動がその成果を発現させる時間軸は幅が広く、支持や支援をしようという動機づけにつなげることは難しい。

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