原油輸出で得たインドルピーの処分に困るロシア インドが有利な立場、足元で不仲を匂わす動き

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原油貿易をめぐるロシアとインドの関係はインドが有利だ。ロシアのプーチン大統領(左)とインドのモディ首相(右)(写真:Bloomberg)

5月に入って、インドがロシア産原油の輸入を増やした。インド商工省外国貿易部によると、5月の原油輸入量は前年同月比21.1%増と3カ月ぶりにプラスとなった。うちロシアからの原油輸入量は同36.7%増と、2カ月ぶりにプラスとなった。また原油輸入量全体の増加率に占める寄与度は14.8%ポイントとなり、ロシア産原油の影響は70%にも達した。

中国の需要減でロシア産原油がダブつき

つまり、5月にインドが増やした原油輸入量のかなりの部分がロシア産だったということになる。インドがロシア産原油を増やした理由は、中国の需要減を受けて、原油がダブついたことにあるようだ。ロシアが行き先を失った原油を大幅に値引いてインドに輸出したことが、インドによるロシア産原油の輸入の急増につながったのである。

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