「ミドリムシ燃料」ユーグレナに問われる真価 海外量産計画は前進だが出資比率が目標の半分
微細藻類ミドリムシを活用した食品や化粧品を手掛けるバイオベンチャー・ユーグレナが欧亜の巨大企業と組んでマレーシアでのバイオ燃料の量産に乗り出す。ミドリムシ燃料の実用化という「夢」への第一歩となる。ただ、まだまだ課題は多く、真価を問われるのはこれからだ。
微細藻類ミドリムシを活用した食品や化粧品を手掛けるバイオベンチャー・ユーグレナが7月26日、マレーシアの国営石油企業ペトロナス、イタリアの石油大手エニの子会社との連名によるリリースを出した。
そこにはかねて検討してきた、マレーシアでのバイオ燃料製造の商業プラント建設・運営プロジェクトの最終投資決定がなされたことが記されていた。
本年末までに3社出資で合弁会社を設立し、プラント建設を開始する。総投資額は13億ドル(約1900億円)、2025年に合弁会社設立後の最初の出資(クロージング)を完了し、2028年内にプラントを稼働。航空機向けのバイオジェット燃料(SAF)や陸上輸送用の次世代バイオディーゼル燃料の一種(HVO)などを年72.5万キロリットル生産する計画だ。
当初は使用済み植物油や動物性油脂、植物油の加工に伴う廃棄物を原料とするが、将来的には微細藻類由来の藻油などのバイオマス原料の使用を視野に入れるという。
ユーグレナが本構想を発表したのは2022年12月。この時点では最終投資決定は2023年末を予定していた。だがこれは間に合わず、「2024年半ばごろ」に延期した。その期限に滑り込みセーフで最終決着に持ち込んだ格好だ。
夢であるミドリムシ燃料の実用化への一歩
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