アフリカで拡大「エムポックス」とはどんな病気か WHOが「緊急事態宣言」、国内の感染者は248例に

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憂慮すべきなのは、流行のスピードが上がっている点です。特に、コンゴ東部の南キブ州では、遺伝子変異が確認され、ヒトからヒトへの感染が数カ月にわたって続いている状況です。

この変異に加えて、さらに懸念すべき事態が起きています。それは、北キブ州ゴマ周辺の避難民キャンプにおいて、エムポックスが確認されるようになった点です。

ここは人口密度が高く、特に危険な状況です。コンゴ国境を出入りする人びとも多い。エムポックス流行が爆発的に拡大していくリスクを見ておく必要があります。

症例の発見、患者のモニタリング、治療の提供。こうしたプロセスが必要でますが、コンゴでは、それが十分に整備されていません。ワクチンも不足しているため、状況はさらに困難です。

一部地域では、エムポックスが神のお告げや妖術と受け止められています。これでは、公衆衛生の対策を打ち出しても、人びとは守ってくれません。地域のリーダーたちに協力してもらい、住民たちの意識を変えていく必要があります。

コンゴに十分なワクチンを

MSFでは、リスクの高い地域の人びとをワクチン接種で保護していくために、スタッフを動員しているところです。

コンゴ政府は、すでに2種類のワクチンを承認しました。現在、それらワクチンの入手に努めていますが、現段階では利用できる状況にありません。

いくつかの国々と供給交渉をしたり、ワクチンを優先して配布すべき地域を選定しているところです。一刻も早く、コンゴに十分な量のワクチンが供給されることを期待しています。

私たちは、コンゴにおけるエムポックス流行に対応するため、複数の援助活動を行ってきました。2021年にはマインドンベ州で、2023年から2024年にかけては、赤道州で緊急援助活動に入りました。状況に応じて活動を広げているところです。

住民に向けてエムポックスの啓発活動に取り組むMSFスタッフ(写真:©MSF)
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