アフリカで拡大「エムポックス」とはどんな病気か WHOが「緊急事態宣言」、国内の感染者は248例に

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コンゴでいったいなにが起きているのか。

国境なき医師団(MSF)は、この新たな緊急事態に対して、いかに対応しているのか。コンゴでMSFの医療コーディネーターを務めるルイ・アルベル・マシン医師に話を聞いた。

感染者や動物との接触で感染

エムポックスは、文字通り、エムポックスウイルスが引き起こす病気です。感染した人間や動物と接触することで感染していきます。

もともと、エムポックスは1970年代から中央アフリカと西アフリカで流行し始めました。それが、2022年から2023年にかけて、急速に世界中に広がったのです。これまでに110の国で患者が確認されています。

エムポックスに感染すると、発疹や痛みを引き起こします。こうした症状を適切に対処して、さらなる合併症を回避するためのいわゆる支持療法が必要です。

適切な治療を受ければ、1カ月以内に回復するケースがほとんどです。しかし、放置しておくと命取りになりかねません。

もともと、コンゴ国内26州のうち11州において、エムポックスは長年流行していました。それが、ここ2年以上前から、患者数が急増し、2022年12月にコンゴ保健当局が流行宣言を発しました。2023年には感染の疑いのあるケースが1万4600件以上にのぼり、654人が死亡しました。

2024年に入ると、状況はさらに悪化しています。

1月から7月中旬までの間に、感染の疑いのあるケースが既に1万2300件以上となっています。その範囲は23州にまで及んでいるのです。今年に入ってから、すでに479人以上が亡くなっています。

WHOの推計では、2022年におけるエムポックス死亡者数は世界全体で89人だったので、今年は特に多いのです。

コンゴの南ウバンギ州において、MSFが支援する病院で医療援助にあたるスタッフ(写真:©MSF)
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