アフリカで拡大「エムポックス」とはどんな病気か WHOが「緊急事態宣言」、国内の感染者は248例に

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■南キブ州

6月中旬から、MSFチームの一部が、南キブ州のウビラ保健区域で支援に入りました。総合拠点病院において、重症患者については治療にあたり、軽症患者については外来診療で対応し、感染の疑いがある患者については隔離を行っています。

また、医療スタッフたちに臨床管理研修を実施したり、感染予防に向けた啓発活動にも取り組んでいるところです。5週間で420人以上の患者治療にもあたっています。そのうち217人は重症患者でした。また、治療やサンプル採取用キットを病院に供給する活動にもあたっています。

■北キブ州

北キブ州のゴマにある避難民キャンプにおいて、エムポックスの調査活動に入りました。病気の発生状況について、調査・集計・監視を行う疫学サーベイランスです。啓発活動も実施しています。

また、現地の医療施設が、トリアージ(重症度・緊急度などに基づいて治療優先順位を決めること)、隔離措置、患者管理を適切に実施できるよう取り組んでいるところです。

■赤道州・南ウバンギ州

コンゴ北西部でも、2つの地域で活動を開始しています。1つは赤道州のビコロ保健区域、もう1つは南ウバンギ州のブジャラ保健区域です。いずれの援助活動も、今後数カ月間にわたって実施される予定です。

この両地域では、エムポックスに関する治療方法と心のケアについて、医療スタッフ向けの研修を実施します。それだけでなく、疫学的サーベイランス、感染予防策、地域啓発活動などにもあたっていく予定です。

特に、障がい者など、これまで関与の難しかった人びとへのアプローチは欠かせません。

ブジャラでは、6月中旬から7月中旬にかけて、MSF支援の下に329人の患者が治療を受けました。また、赤道州では保健当局と協力して、ウイルスの動態や感染症対策について理解を深めるための研究も行っていきます。

十分なワクチンが不可欠

今回の流行は、さまざまな地域で拡大していますが、いずれも人口動態や地理的状況が異なります。それゆえ、対応内容を多層化するだけではなく、各地域の特性に応じたものにしないといけません。

ワクチン供給が始まるまでの間、できる限り多くのパートナーと提携して、患者のケアをはじめ、分析や監視、隔離措置、啓発活動などに努める必要があります。現在、これらの活動は不十分なままです。十分に機能させていくには、膨大なリソースを投入しなければなりません。

こちらは国境なき医師団(MSF)の活動ニュースからの提供記事です

そして、なによりもワクチンが不可欠です。

現在、コンゴには、感染リスクの高い状況下で生きている人びとがたくさんいるのです。エムポックス流行地の住民、医療従事者、セックスワーカー、キャンプの避難民──。彼らを守るために、一刻も早く、十分なワクチンがコンゴまで運ばれなくてはなりません。

国境なき医師団 非営利の医療・人道援助団体
こっきょうなきいしだん / Kokkyonaki ishidan

民間で非営利の医療・人道援助団体。紛争地や自然災害の被災地、貧困地域などで危機に瀕する人びとに、独立・中立・公平な立場で緊急医療援助を届けている。現在、世界約75の国と地域で、医師や看護師をはじめ4万9000人のスタッフが活動。1971年にフランスで設立、1992年には日本事務局が発足した。日本国内では、援助活動に参加する人材の採用・派遣、人道危機や医療ニーズを伝える証言・広報活動、現地医療活動を支える資金調達などを行っている(2022年実績)。

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