祇園祭の「ごみゼロ大作戦」に参加して感じたこと 祭りでの「ごみエチケット」は守られているか

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集積所に運び込む様子
集積所に運び込む様子(写真:筆者撮影)
集積所に集められたごみ
集積所に集められたごみ(写真:筆者撮影)

持ち込まれたごみや資源は、いったんステーションの中に置いておき、22時以降に設けられる集積所に移動させていく。そして、交通規制解除後に事業ごみ収集業者が収集して回る仕組みとなっていた。

祭り見物でのエチケット

「祇園祭ごみゼロ大作戦」のHPによると、取り組み開始前の2013年、ごみの廃棄物量は約57トン。取り組み10年目となった2023年、ごみの廃棄物量は約63トンと増えているが、来場者数も約12万人増えたので、1人あたりのごみ量としては減っている。

また、2023年におけるごみの資源化率は2013年比で7.3倍になっており、資源の分別活動が効果を挙げている。

一方、筆者がボランティアに参加し、気になったことがある。

筆者がステーションで分別を呼びかけていると、ごみ箱・回収箱に丁寧に入れて軽くお辞儀をしていく人もいれば、乱暴に投げ入れ、そそくさと去っていく人もいた。

子どもならまだしも、いい大人にこのような対応をされると、普段もごみ収集に携わる人へも同じような態度で接しているのではないかと思えてしまい、残念な気持ちになった。

また、相変わらず地べたには飲食容器や串がパラパラ落ちていたが、取り組みのおかげか、この規模の祭りにしてはかなり少ないという印象だった。

それでもポイ捨てされたゴミはゼロではなく、一部の人たちの軽率で心無い行動が垣間見られた。

路上にポイ捨てされた割りばし
路上にポイ捨てされた割り箸(写真:筆者撮影)

「祭り見物で飲食をするならば、その後のごみに責任を持つ」。

ごみの向こうの見えないところで尽力している多くの人々を想像しながら、求められる分別方法に従って排出するのが最低限のエチケットとなる。これが祭り見物者の心得として広く浸透していくように、本稿の趣旨をご理解いただける読者の皆さんとともに実践していきたく思っている。

【写真】「祇園祭ごみゼロ大作戦」に参加した様子など(12枚)

【参考文献】内田香奈「パートナーシップの進化プロセス : 祇園祭ごみゼロ大作戦を事例に」『龍谷大学大学院政策学研究』第7号、2018年、1-18頁。

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藤井 誠一郎 立教大学コミュニティ福祉学部准教授

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ふじい せいいちろう / Seiichiro Fujii

1970年生まれ。同志社大学大学院総合政策科学研究科博士後期課程修了。博士(政策科学)。同志社大学総合政策科学研究科嘱託講師、大東文化大学法学部准教授などを経て現職。専門は地方自治、行政学、行政苦情救済。

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