祇園祭の「ごみゼロ大作戦」に参加して感じたこと 祭りでの「ごみエチケット」は守られているか

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その後、露天商組合とつながりができて協力が得られるようになり、祇園祭でのごみ削減を目指し、リユース食器の利用が進められていった。

このような経緯を経て、2014年からはエコトーンが核となり、他のNPO法人、行政(京都市の各部署、警察)、地域団体(山鉾連合会)、企業(事業ごみ収集業者、露天商組合、スポンサー企業等)、大学といった多数の主体が連携したプロジェクトとなる「祇園祭ごみゼロ大作戦」が始まった。

屋台の協力を得て使い捨て容器をリユース食器に置き換え、それらとともにごみを回収する拠点である「エコステーション」を23の山鉾が設置された山鉾町界隈に設置し、ごみ減量を実現する取り組みが特徴となっている。

リユース食器
祇園祭の宵々山・宵山の屋台で導入されたリユース食器。リユース食器はエコステーションへ返却する仕組みで、2023年の実績ではリユース食器導入量18万9200(個・枚)のうち紛失・破損は8703(個・枚)で、食器紛失・破損率は4.6%だった(画像:祇園祭ごみゼロ大作戦HPより)

2014年に始まって本年で11回目を迎える取り組みで、例年、2日間で延べ2400名を超えるボランティアを動員して行われている。

その活動としては、①リユース食器の露店への貸し出し、②食器回収等のオペレーション、③エコステーションでのリユース食器の回収とごみの分別回収の呼びかけ、④散乱ごみの清掃活動、がある。

筆者は今年、京都市の清掃職員の方々とともに、③の業務に携わらせていただいた。

システマティックな運営体制

「祇園祭ごみゼロ大作戦」のボランティアは、決められた時間に現場に行ってただ単に労力を提供するという形でなく、事前に研修を受けて取り組みへの理解を深めた上で当日参加する形となっている。団体で申し込んだ場合はオンラインでの説明動画を視聴して本番に臨む。

また、一般ボランティア(青色のシャツを着用)の指示を含む現場の運営や不測の事態への対応のためにリーダー(赤色のシャツを着用)が150名程度配置されており、こちらは5回にわたる事前研修を受ける。

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