最終回・対話の現場/わかりあえない時代になぜ対話が必要なのか

さて、2年半にわたって続けてきた本連載も、今回で最終回である。「やんぬるかな」ではないが、「もうおしまい」なのである[週刊東洋経済で連載、オンラインでは一部のみ掲載]。

当初は半年くらいの短期連載で、対話的発想のエッセンスをお伝えするつもりだった。それが、ここまで長く続いたのは、ひとえに読者の皆様のおかげである。この場を借りて厚く御礼申し上げたい。

おそらく私は、本誌の執筆者としては異質な存在である。

現在の専門は学校教育。それも小学校の国語科教育である。私の時間の大半は、小学校の先生たちとの対話に費やされている。また、前職は外務省の事務官なので、ビジネスの経験はまったくなし。読者の多くはビジネスとかかわりのある方々だろうから、本連載は異質な者同士の出会いの場でもあったわけだ。

異質な者同士の出会いから、何か新たなものが生まれる──これが対話の理想であるが、本連載は読者の皆様との間に、少しでも新たなものを生み出せただろうか。

そして、いま私は学校教育の世界へと帰る。今後、皆様とお会いする機会はあるだろうか。ただ、学校と社会は一直線につながっている。これから、私は「対話的な子どもたち」を学校から続々と送り出していく。彼らを、皆様が社会でしっかりと受け止めてほしい。

今回で『わかりあえない時代の「対話力」入門』は終了します。ご愛読ありがとうございました。


北川達夫(きたがわ・たつお) 
日本教育大学院大学客員教授■1966年生まれ。早大法学部卒、外務省入省。在フィンランド大使館に8年間勤務し退官。英、仏、中国、フィンランド、スウェーデン、エストニア語に堪能。日本やフィンランドなど各国の教科書制作に携わる。近著は『不都合な相手と話す技術』(小社刊)。(写真:吉野純治)


(週刊東洋経済2011年11月5日号)
※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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