学生が新卒一括採用にこだわる会社を忌避する訳 優秀な人材ほど中途採用の一本釣りに

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「IT業界では一般的人的資本が重要で、『経験者を中途採用すれば十分』という意見があるようですが、そうは思いません。ITの世界でも企業特殊的人的資本は非常に重要で、これを高めるうえで、新卒一括採用は良い仕組みだと思います」(IT)

ここでいう一般的人的資本とは市場全体で通用するような技能(語学・資格など)、企業特殊的人的資本とは特定の企業においてのみ役立つ技能(企業独自のノウハウなど)です。企業の競争優位の源泉になるのは企業特殊的人的資本で、社内で教育訓練をすることが有効だと言われます。

本当に新卒一括採用は低コストか?

一方、新卒一括採用のデメリットとして、中途採用に比べたコスト面などの優位性は乏しい(ない)のではないか、という指摘がありました。

「近年、当社では若手の退職が増えています。入って3年以内に辞められると、教育コストは完全にドブに捨てた形です。1人当たりの採用コストはたしかに中途採用の方が高いですが、教育コストも含めると、新卒一括採用の方がむしろ割高かなと思います」(サービス)

「新卒採用では、外資系コンサルティング会社などとの競合が激しく、優秀な人材を採れなくなっています。たまに採れても、優秀な者ほどすぐ辞めていきます。社員数の確保という面はともかく、会社の将来を担う中核人材の確保という点では、新卒一括採用への期待は下がっています」(保険)

また、「ジョブ型雇用の導入で他の人事制度との整合性を取れなくなっている」(商社、消費財など)という意見が数多くありました。この意見について補足説明します。

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