努力報酬、副業歓迎…イケダ流働き方の是非 「21世紀の報酬スタイル」は、実際使えるのか
「まだ昭和の賃金体系で働いてるの?」。有名ブロガーのイケダハヤトさんが、自身のブログで、こんな刺激的なタイトルを使って、自身が考える理想の賃金体系を「21世紀の報酬スタイル」として披露した。自身の事務所で採用しているスタイルがベースになっているという。
ブログによると「21世紀の報酬スタイル」は、ライフステージや状況に合わせて最低限暮らしていけるだけの「生活保障賃金」を支給したうえで、成果と努力の双方を考慮した「フレキシブルな成果・努力報酬」を支払うというもの。
さらに、「働き過ぎを防ぐ労働時間規制」を導入して、過労による労働効率の低下を防止。事務所の経営が成り立たなくなってもやっていけるように、「副業を大歓迎」し、本人のレベルアップにもつなげる狙いだ。
イケダさん独自の考え方だが、この「21世紀の報酬スタイル」に参考になる点はあるのだろうか。また、多くの企業で実現する可能性はあるのだろうか。企業労働法に詳しい倉重公太朗弁護士に聞いた。
意図は十分理解できるし、理想的だが……
「イケダハヤト氏の狙いとする報酬スタイルは、被雇用者のライフステージや状況に合わせて、最低限、支払う金額を決めています。
つまり、一定額はある程度、病気になっても保証する一方、本人の努力も加味し、成果に応じて報酬を上乗せするというものです。さらに、稼ぎたければ副業もかまわない、というもののようです。
終身雇用・年功序列といういわゆる日本型賃金体系の限界が叫ばれる中、イケダ氏の意図するところは十分理解できるし、そのような運用がうまくいけば、理想的であるとさえ言えるでしょう」
この理想は、一般の企業で現実のものになる可能性はあるのだろうか。
「残念ながら、一般の企業が導入するのは、少なくとも現行の労働法の下では、リスクが大きすぎると言わざるをえません」。