子どもを「外で遊ばせるだけ」で近視は防げる  忙しい親でもできる「子どもの目の守り方」

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窪田:おっしゃるとおりですね。実際に両親が近視でも1日2時間屋外活動を続けたところ、子どもの近視を抑制できたというデータがあります。「遺伝だから近視になるのは仕方ない」とあきらめず、ぜひお子さんの将来の目の健康のことまで思いをはせた上で、日々の環境を見直していただけると嬉しいです。

子どもたちが自由に真剣に遊ぶ機会を

高濱:今の時代、外遊びというと、熱中症、ケガ、事故などを怖がる親御さんが多いかもしれません。しかし、どこが危険か、何が危険かを最初にきちんと把握させてから自由に遊ばせると、子どもたちは実に真剣になって遊びます。

窪田:そうですね。日本の公園は大人が先回りして、危険がありそうなあらゆることを禁止してしまっているので、そうやって子どもたちが自由に真剣に遊ぶ機会が失われていますね。

外遊びについて一点補足すると、平日に1日2時間確保するのが難しければ、週末に長時間まとめて遊んでもOKです。それでも十分近視の抑制につながります。

高濱:それは親も子も忙しい現代社会には嬉しい情報ですね。

ゲームやスマホが社会の隅々にまで普及したとはいえ、画面ばかり見て遊ぶことで子どもの心身にさまざまな弊害が起きている気がします。ゲームやスマホで時間をつぶすことが増え、外遊びが減ることで、目の健康にも負の影響を及ぼすとは窪田先生とお話しして初めて知りました。

生身の人間の背中や予測不能な自然の営みから子どもたちが直接学ぶ機会がどうしても減ってきているので、大人が意識的に環境を整える必要がありますね。

窪田:そうですね。目の健康に関しても、先生が長年取り組まれている心身の発達に関しても、問題の根源は同じなのかもしれませんね。

(構成:石原聖子)

窪田 良 医師、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO

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くぼた りょう / Ryo Kubota

慶應義塾大学医学部卒業。慶應大医学部客員教授、米NASA HRP研究代表者、米シンクタンクNBR理事などを歴任。虎の門病院勤務を経て米ワシントン大学助教授。2002年創薬ベンチャー・アキュセラを創業。2016年窪田製薬ホールディングスを設立し、本社を日本に移転。アキュセラを完全子会社とし、東証マザーズに再上場。「エミクススタト塩酸塩」においてスターガルト病および糖尿病網膜症への適応を目指し、米FDAからの研究費を獲得し研究開発を進めているほか、在宅医療モニタリングデバイスや、ウェアラブル近視デバイスの研究開発を行っている。

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高濱 正伸 花まる学習会代表

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たかはま まさのぶ / Masanobu Takahama

1959年熊本県生まれ。県立熊本高校卒業後、東京大学に入学。1990年同大学院修士課程修了後、1993年に小学校低学年向けの学習教室「花まる学習会」を設立。父母向けに行なっている講演会は毎回、キャンセル待ちが出るほどの盛況ぶり。「情熱大陸」(毎日放送/TBS系)、「カンブリア宮殿」「ソロモン流」(テレビ東京)など、数多くのテレビ番組に紹介されて大反響。「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)、「AERA with Kids」(朝日新聞出版)などの雑誌にも多数登場している。『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』(青春出版社)、『わが子を「メシが食える大人」に育てる』(廣済堂出版)など、著書多数。

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