阪神タイガースが「2軍球場」を巨大化する懐具合 総工費145億円で西宮から尼崎に2025年3月移転

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チームが好調なこともあり、もともと熱狂的と言われるファンの応援姿勢もヒートアップしている。「甲子園球場でのタイガース戦チケットを予約するのは、今はなかなか難しい」(冒頭の関西私鉄グループ社員)。

タイガースの親会社である阪急阪神ホールディングス(HD)の業績も好調だ。チームの成績は阪神電車の乗客数や、阪神電鉄の運営する甲子園球場の入場者数などに大きな影響を与える。阪急阪神HDの業績をも左右する。

2023年度の営業利益は、前年度比18%増の1056億円という数字をたたき出した。球場の周辺などで販売される選手・応援関連のグッズも、「足元の売れ行きは当初の想定以上」(阪急阪神HDの広報IR担当者)という。

2024年度も、現時点ではタイガースの優勝特需がないとの前提ながら、前年度と同水準の営業利益を見込む。

現在、タイガースは甲子園球場の銀傘をアルプススタンドまで拡張する計画も公表している(2028年3月完成予定)。「儲かっているから、1軍や2軍の球場を整備・拡張する」という関西私鉄グループ関係者の指摘は、うなずける側面がある。

新ファーム施設は、従来の施設から大幅に機能がアップする。メインスタジアムは鳴尾浜球場の7倍以上となる3600席を設置。球場の広さ、向いている方向は甲子園球場とまったく同じにする。グラウンドも外野には天然芝を張り、内野には黒土を盛る。この仕様も甲子園球場と同じだ。

甲子園球場が2個入る大きさ

室内練習場にいたっては、甲子園球場に隣接する1軍選手が使用するものよりも1.5倍の大きさとなる。選手寮・クラブハウスには、トレーニング施設や流水プールのあるリハビリ施設も配置する。

1つひとつの施設が巨大化、グレードアップするわけだ。その大きさは、阪神タイガース球場施設工事所の遠藤孝治工事所長(熊谷組)によると、「ボールパーク全体では甲子園球場が2個入るほど」になる。

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