人はなぜか「赤い色の異性」とSEXしたくなる 欧米の心理学会が追試に追試を重ねて実証

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タルマ・ローベル/テルアビブ大学社会科学部心理学科教授。同学で心理学科長、学生部長も務めた。イスラエル国防軍在籍中の18歳のときに「環境が人の思考や判断に与える影響」に興味を抱き、子どもと大人の性自認や、ステレオタイプ、性格、文化が人の行動に及ぼす影響について研究を行う。その後「身体化された認知」を扱った論文に出会い、「心理学の大革命」と考え、研究を進めている。著書に『赤を身につけるとなぜもてるのか?』(文藝春秋刊)

そこで私たちは、事前に調査を行い、女性の写真をルックス別に、「上」「中」「下」の3つのグループに分けて、ロチェスター大学と同様の実験を行いました。

その結果、女性をよりセクシーに見せる「赤の力」の効果は、ルックスに関わらず、全ての女性で見られることがわかりました。

ただ、この実験ではもうひとつ、面白いこともわかりました。それは、「上」や「下」のルックスの女性よりも、「中」の女性の方が、「赤の力」は神通力を発揮するということです。特別キレイでもないけど、ブサイクでもない。そんな人が身につけるといちばん、赤の効果は強く現れるのです。

赤の魅力は人類共通

「赤=魅力的」というのは、人類共通であり、文化の違いに左右されません。外の世界から隔絶された西アフリカの小さな村でも同様の実験が行われましたが、やはり男性は「赤い」女性をより魅力的に感じ、会いたい、口説きたいと感じることがわかっているのです。そのほかにも、さまざまな文化圏で追試が行われていますが、一貫して「赤の力」は確認されています。

さまざまな色のシャツを着た女性

赤を身につけることで、女性は男性から、実際の行動においても有利な反応を引き出すことができます。たとえば、レストランのウェイトレスがTシャツの色を、一日ごとに赤、黒、白、黄、青、緑と変えてみたところ、赤を着た日に限って、男性客からもらうチップの金額が多くなることがわかりました(N. Guéguen, and C. Jacob (2012). Clothing color and tipping: Gentlemen patrons give more tips to waitresses with red clothes. Journal of Hospitality and Tourism Research, April 18, 2012.)。

また同じように、異なる色のTシャツを着た女性にヒッチハイクをさせたところ、男性ドライバーは赤いTシャツを着た女性のためによく車を停めることがわかった、という研究結果もあります(N. Guéguen (2012). Color and women hitchhikersʼ attractiveness: Gentlemen drivers preferred. Color Research and Application, 37 (1), 76-78.)

このように、「赤の力」は男性の認識だけでなく、実際の行動にまで影響を与えてしまうのです。

それでは反対に、男性が赤を身につけるとどうなるのでしょうか? やはり、女性もまた、赤を着た男性をセクシーだと感じ、セックスしたくなるのでしょうか?

次ページ女性にも実験を行った結果……
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